塗装、塗料の選び方
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外壁塗装をする際、どんな色にするのか考えるのもとても楽しいものです。しかし、何年も使うため失敗もしたくない部分です。ここでは外壁の色選びや塗料についてご案内いたします。
後悔しない色
外壁塗装をした後にイメージと違ったかも…という後悔が生じる原因のほとんどは、人間の目の特性、錯覚」によって起こります。
落ち着いた暗い色を選んだつもりが、何だか明るい。
同じ明るさの同じ色でも、小さい面積で見ると暗く、広い面積で見ると明るく見えるという人間の目の性質があります。これは面積効果と呼ばれています。
同じ明るさの同じ色でも明るく見えたり、暗く見えたりします。塗装をし終わってみると、サンプルよりも絶対に明るく見えるはずです。サンプルでは一段階暗めの色を選ぶとその差が少なくなるので覚えておくとよいでしょう。
明度対比は、同じ色で塗装しても色合いが濃く見えたり、明るく見えたりする影響が生じます。
外壁の一部にタイルなどがもともと貼ってある建物などで起こりがちなのですが、ツートンなどで塗り分ける場合、隣接する外壁の色によって色合いが濃く見えたり、明るく見えたりします。明度対比と呼ばれる現象です。
片方を落ち着いた色で塗った場合、隣接した外壁に鮮やかな色を塗りますと必要以上に鮮やかな色に見えます。明るめの色を塗りますと、本来の色よりも明るすぎるように感じられます。また、落ち着いた色に隣接して暗めの色を選ぶ時も必要以上に暗く見えてしまうことがあるので、片方が落ち着いた色の時は、隣接した部分に明るめの色を希望する時にはワントーン暗めの色、暗めの色を希望される時にはワントーン明るめを選ぶのがおススメです。
和風の建物でも、洋風の建物でも、和洋折衷であっても、周囲の環境や景観に調和する色彩が最適な色です。そのため、原色や明るすぎる色、暗すぎる色は景観から浮いてしまうため、避けた方が良いでしょう。最も見慣れている肌の色の明るさを基準にするのがおススメです。
汚れの目立つ色・汚れの目立たない色
清潔感を保つ色、長期にわたって綺麗に見える色もあります。
壁の汚れの大半は砂埃や土埃です。外壁が新しいうちは付着しにくいので目立ちませんが、風雨や埃によって表面に微細な傷ができますとそこに汚れが溜まりやすくなります。
汚れがあちこちに溜まってくると、色も濃くなってくるので目立ちやすくなります。
砂や土の色に似たベージュ、また、煤のつきやすいところならグレーが汚れてきた時につく色です。その色とかけ離れた色だと汚れは目立ってきますし、その色に近い色は汚れが目立ちにくい色になります。実は汚れが目立ちにくいのはグレー、しかもウォームグレーが目立ちにくいです。グレーと聞くと暗いイメージを持たれる方もいらっしゃるのですが、外壁などの広い範囲に塗った場合、思った以上に明るく見えます。真っ白な外壁を希望される方も多いのですが、白は最も汚れが目立ちやすく、グレーにしてみたら思っていた以上にイメージと合致するということもよくあります。
色あせしやすい・色あせしにくい色
色あせは古びたイメージを持たせるため、できる限り避けたいですが、風雨にさらされ、紫外線や熱の影響を受けることで、使用していくうちに色はあせていきます。ただ、どの色も同じように色あせするのではなく、色あせしやすい色、しにくい色があります。
色あせしやすい色
「赤」
赤は色あせしやすく、また色あせに気がつきやすい色です。赤色を出す顔料は数種類あるのですが、いずれも耐光性は高くありません。東京タワーに使われていることから、それなりに耐久性がありそうに思われることもあるのですが、塩害などの影響もあり、実は東京タワーも5年に1回程度の塗り替えが行われています。
「黄」
黄色は色あせが一番早く起こると言われている色のひとつです。赤色と黄色の共通点はどの顔料であっても、窒素元素同士が結合している部分が多く、それが紫外線によって切断されてしまうため、他の色よりも色が抜けるのが早くなってしまいます。
しかし、化学の不思議で、同系統の色である黄土色は色あせしにくいという特徴を持っています。
「紫」
紫と一言で言っても、それが赤みの多い紫なのか、青みの多い紫なのかで、色あせのしやすさは変わってきます。赤みの強い紫の方が色あせはしやすく、自動車などでも赤の次に色あせしやすいと言われています。しかし、紫で外壁を塗るケースは非常に少ないため色あせしているイメージは持ちにくいかもしれません。
色あせしにくい色
「白」
白の塗料に顔料として使われる酸化チタンは無機顔料ですので、色素の結合を切断されにくく、化学変化も起こりにくいという特徴があります。しかし、白の外壁は汚れが目立ちやすいという弱点もあり、色あせの心配はないものの、長期にわたって使いやすい色ではありません。
「黒」
顔料の原料であるカーボンブラックは非常に強固な炭素結合を誇り、光に分解されないという性質を持っています。ただ、黒も汚れが目立ちやすく、汚れてきた時にイメージが著しく下がってしまう色なので外壁に使う場合は綺麗な黒を保つ必要が生じて、外壁としては長持ちする色というわけではありません。
「青」
冷静なイメージを持たせる青も色あせしにくい色です。コーポレートカラーにもよく採用され、人気の高い色ですが、壁面全面に塗られる方はわずかです。
塗装でできること・できないこと
塗装でできること
お住まいの屋根や外壁の防水性能の回復
スレートや金属などの屋根材、モルタル外壁や窯業系・金属サイディングは塗装によって表面を保護する塗膜が造られます。この塗膜が屋根材や外壁材への雨水を防いでいるのです。この塗膜は風雨にさらされ、紫外線や熱の影響を受けて経年劣化していき、やがては水の染み込みを許すようになります。この防水性能が低下した時点で塗り替えを行うことによって、その性能を回復できます。
建物の美観を保つ
防水性能が低下してくる頃には、屋根や外壁に細かな傷がつき、そこに汚れが溜まって目立ちはじめます。また、防水性能の低下から屋根や外壁には苔や藻、カビが繁殖しやすくなり、こちらも美観を損ねることになります。
汚れや苔や藻、カビを洗い流してから、塗り替えすることで建物を綺麗な状態に回復できます。
防苔や防藻、防カビ
外壁塗装や屋根塗装用の塗料のほとんどのものに苔や藻、カビを防ぐ薬剤が配合されており、塗装の基本性能とも言えます。その効果は塗料によって高いものもあれば、普通のものもあり、塗り替えてからわずかな年数で苔や藻、カビが再発してしまうもの、長い間、発生を防ぐものが存在します。環境にもよるので塗料の効果が持ちにくい場所もありますが、当社では高品質の塗料で、長期間綺麗な状態を保てるような塗装を行っています。
塗装ではできないこと
建物の防水、雨漏りの補修
確かに屋根塗装と外壁塗装には防水性を保つという目的はあるのですが、それは屋根材や外壁材についてであって、建物全体のことではありません。屋根材単体、外壁材単体の防水性能を高めても、根本的な解決にはならず、防水・雨漏りにお悩みの場合は、それに適した別の工事が必要になります。
クラック(ひびや亀裂)の補修
髪の毛1本程度の細さのヘアクラック程度だったら、弾性塗料でそのまま塗りつぶしてしまってもほとんどの場合は問題ないのですが、それ以上のものはできてしまった隙間に専用の樹脂などを充填しないと、建物の状態を保つことができません。クラック補修は塗装工事とは別の工事や工程が必要になります。